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緑内障
glaucoma
いつの間にか見える範囲が狭くなり、
元に戻らなくなる視神経の病気です。
緑内障とは…
 気付かないうちに視野が欠け、元に戻らなくなる視神経疾患です。
適切な治療により眼圧を下げることができれば、その進行を抑えられる可能性があります。
日本人の失明原因No1の眼疾患です。早期発見かつ継続的な治療が、非常に重要です。
緑内障の症状
a)ぼんやり見える部分がある。
b)見えない視野を自覚する。
  c)まれに急激な視力低下を伴う眼痛、頭痛(緑内障発作時)
緑内障を理解するために…眼圧・房水・隅角の関係
隅角 ○眼圧:眼の硬さ。
○房水:眼の中の水。
○隅角:房水の排水口。

 房水は、図1・2の毛様体で産生されたあと眼内を循環し、やがて隅角(房水の排水口(図1))から排出されます。毛様体と隅角は近接していますが、房水のほぼ全てが瞳孔を経由してから隅角へ向かいます。

 ご理解いただきたいのは… 眼球が風船のように膨らんだり縮んだりしにくい構造である以上、房水の産生と排出のバランスは、眼の硬さ、つまり眼圧に大きく影響するということです。
房水の循環
緑内障の分類
 緑内障といっても下記のように多くの病型があり、経過や治療方針はそれぞれです。
隅角所見、眼圧の程度、発症機転等により分類され、おおまかに挙げると下記の通りです。
原発緑内障
○原発開放隅角緑内障(もともと隅角が開いているタイプ)
  • 高眼圧症:ただ眼圧が高いだけで緑内障性視神経症(視野欠損)を伴わない病型
  • 正常眼圧緑内障:
    40歳以上の日本人20人に1人の割合で存在するという報告があります。
    眼圧は正常なのに緑内障性視神経症(視野欠損)が進行してくる病型。進行は緩徐です。
原発開放隅角緑内障
○原発閉塞隅角緑内障(もともと隅角が閉じかげんなタイプ):
40歳以上の日本人1000人に3~10人程度の割合で存在するという報告があります。
上記、緑内障の症状の c の発作を起こしうる病型
原発閉塞隅角緑内障
続発緑内障(他疾患に原因があるもの)
発達緑内障(先天性のもの)
緑内障の検査
○眼圧検査:眼の硬さを測定する検査です。
 ・非接触型眼圧測定器(眼球に空気を吹きかけて測定します。)
 ・ゴールドマン圧平眼圧計(接触型眼圧測定器)

○視野検査:緑内障の進行度を見えている範囲から評価する重要な検査です。
 ・ハンフリー視野測定器(HFA:緑内障性視野評価の世界標準機)
 ・ゴールドマン視野測定器

○眼底検査:視神経乳頭部所見の評価
 ・光干渉断層計(OCT)
  ・眼底写真

○隅角検査
緑内障の治療
 緑内障は眼圧を下げ続けることができれば、その進行を抑えることができ得る疾患です。ただし、ひとたび進行してしまうと視神経の障害が、もとに戻ることはありません。
 したがって、治療の目的は緑内障の進行を遅らせることであり、失われた視野を回復させるものではないことをご理解ください。
 上記分類にもありますように、緑内障のそれぞれの病型に合わせた治療方針の決定が重要になります。
  • 薬物療法:
  •  緑内障の多くの病型に対し基本的な治療法です。 点眼や内服で行うため患者様の負担は少なくて済みます。 房水の流出量を増やしたり、その産生量を減らしたりする薬剤など様々で、緑内障の病型、眼圧、その進行の程度、既往症(心肺疾患、腎疾患の有無など)に応じて、処方させていただきます。
  • レーザー治療:
  •  レーザー虹彩切開術、選択的繊維柱帯形成術
  • 手術療法:上記、薬物療法、レーザー治療でも、効果が出ない場合に実施します。
正常な眼