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眼瞼(まぶた)の疾患
Eyelid Disorders
霰粒腫

 霰粒腫とは、眼瞼(まぶた)にあるマイボーム腺(涙の脂分を分泌する腺)が詰まることによって生じる慢性肉芽腫疾患です。
 症状は、眼瞼の腫れや異物感を伴います。
 下記の麦粒腫と違い、発赤や疼痛は伴いません。
 腫脹部位を触るとコロコロとしたできもの(腫瘤)を触れます。
 腫瘤が小さければ自然治癒することもあります。
 基本的には、ステロイドによる薬物療法を始めますが、大きな腫瘤の場合、手術で摘出します。薬物療法の効果判定には、数週間~数か月を要する場合もあり得ます。
 手術の際の摘出物は、悪性か良性か鑑別するために病理検査まで実施します。

麦粒腫(ものもらい)

 麦粒腫とは一般的に「ものもらい」といわれております。原因は細菌感染です。
 眼瞼の外側に位置する皮脂腺や汗腺に感染したものを「外麦粒腫」、眼瞼の内側にあるマイボーム腺に感染したものを「内麦粒腫」といいます。
 症状は腫脹・発赤・疼痛などです。
 治療としては、まず抗菌薬の点眼や軟膏をすすめます。
 化膿が進むと、外麦粒腫は皮膚側から、内麦粒腫は結膜側から膿が出る(排膿)ことがあり、排膿すれば治癒します。
 排膿が起こらない場合は切開することもあります。

眼瞼下垂

 眼瞼下垂とは上まぶたが垂れ下がる状態を言います。
大きく分けて「先天性眼瞼下垂」と「後天性眼瞼下垂」があります。

①先天性眼瞼下垂
 生まれつき眼瞼挙筋(瞼を上げる筋肉)の発育が十分でなく、瞼が瞳孔を覆ってしまう状態です。この状態では視力の発達を妨げ「弱視」となる危険性もあります。
 治療は手術ですが、上眼瞼が瞳孔にかからない程度なら、すぐに手術する必要はありません。
 視機能の評価や合併症の有無、手術の必要性と時期などを判断してもらうためにも早期受診をお勧めします。
②後天性眼瞼下垂
 原因として、最も多いのは加齢性(老人性)眼瞼下垂です。
 年齢とともに眼瞼挙筋の働きが弱くなったり、皮膚がたるんだりすることによって起きます。 そのほかにも、コンタクトレンズの長期使用や重症筋無力症、動眼神経麻痺など原因は様々です。
 自覚症状としては「瞼が下がって見にくい」「瞼が重い」「いつも眠そうな目」「左右のめの大きさが極端に違ってきた」などが報告されております。
 治療は手術ですが、加齢性眼瞼下垂ではゆるんだ挙筋と周囲組織の結合を再構築することにより、回復が見込めます。
眼瞼内反
 眼瞼内反とは、まぶたが内側を向きまくれこむことで睫毛(まつげ)や皮膚面が眼球側を向いてしまう疾患です。
 多くの睫毛がまぶたの縁に存在するため、これが眼球に接触し、眼痛、異物感、羞明、視力低下、眼瞼炎を引き起こします。
 また、たるんでしまった皮膚や結膜によって涙の通り道を塞ぎ、涙目、目の乾きを訴えることもあります。
 原因はほとんど加齢ですが、先天的なものや外傷によるものも報告されております。
 病態が完成すると、自然軽快は見込めないため、必要なときは緩んだ瞼をぴんと張らせる手術をし、外見や眼症状を改善させます。
正常な眼